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参列者へ最も印象を与える、遺影の選び方について徹底解説

遺影とは、葬儀の際に祭壇に飾る故人の写真または葬儀後先祖代々飾られる写真の事を指します。
遺影には故人を偲ぶ意味があり大切な役割がありますので選ぶ際には慎重になりたいものです。

葬儀

祭壇の中央に飾られる遺影は人々に最も印象を与え、故人との思い出や記憶が蘇るきっかけとなり得る大切なものです。

遺影の歴史は古く、諸説ありますが江戸中期から明治後期まで流行した死絵が起源と考えられています。紙や写真の普及により徐々に広まり、近年において遺影は一般的なものとなっています。それでは、今回は遺影の選び方についてわかりやすくご紹介致します。

    目 次
  1. 遺影の選び方
  2. 遺影の大きさやフレーム
  3. 遺影のその後

遺影の選び方

故人らしさと撮影時期

葬儀を執り行う上で様々な事を決定していきますが、遺影選びも難しい問題であり迷われる遺族の方も多いです。

故人様との最後のお別れの時に大きな印象を与える遺影ですから、可能な限り故人様らしさと参列者へ良い印象を刻めるような一枚を選びたいと思う事でしょう。

遺影の選び方としてまず可能な限り亡くなった年に近いものを選ぶその年まで生きた証になるのと同時に年齢を重ねた故人の歴史を振り返るきっかけにもなるので良いでしょう。
逆に実年齢とあまりに掛け離れた写真では違和感が勝ってしまいますので、好ましくはありません。また、長い間入院したりして病気が続いていたような場合には病床中の姿よりも病気になる前の元気な姿や病状が良い時に撮影した写真を選ぶと良いでしょう。

表情豊かな写真を

祭壇の真ん中に飾られる遺影は故人の人柄や生き様を表す大事な写真です。そのため可能な限り良い表情でカメラ目線のものを選ぶ様にすると良いでしょう。
ひと昔前までは白黒で無表情の遺影が一般的でしたが、近年はフルカラーで表情豊かな写真が一般的です。写真を選ぶ際は表情の良い写真を選び出しその中から絞り込んでいくと良いでしょう。

記念日にプロに撮影してもらった写真や旅行先の写真などの故人が幸せだった瞬間の写真や好きだった事をしている時の写真は表情も豊かなうえ、その人らしさがよく出てくるものなので選択肢にする方が多いです。

カメラ目線のものを選ぶと良いと前述しましたが、カメラ目線の写真は参列者がお焼香をする際などに遺影を見た際に目が合っている感覚になる事ができ、故人との最後のお別れが素敵な思い出として残るためです。

大きさやピントに注意

良く写っている写真を選ぶだけではなく、その中でも故人様がなるべく大きく写っているものを選ぶ事も大事なポイントです。

近年の写真では解像度が高い物が多くネガが残っていなくても拡大して使用することも可能ですが、あまり小さく写っている写真では拡大した際に写真が荒れてしまうこともあるので注意が必要です。

同時にピントが合っていない写真も拡大した場合には特にぼんやりとした写真になってしまいますので、ピントが合っていてぶれていないような写真を選びましょう。

背景や服装は気にする?

最後に、遺影用の写真を選ぶ際に背景や服装が気になってしまう方もいらっしゃると思います。前述した条件を満たしていても、服装がくずれていたり背景に他の人が写りこんでしまっていたり遺影の背景としてはあまりに良い印象を与えない風景であったりすると、遺影にするには気が引けてしまう場合もあるかと思います。

近年では写真の加工技術が発達していますので、遺影にしたい写真の服装や一緒に移りこんでいる人や物、風景などが気になる場合は加工する事も可能ですので時間や金銭的に余裕がある場合には選択肢に入れても良いでしょう。
また、写真の加工では明暗も調節できますので故人の表情や個人らしさを尊重して写真を選ぶことが大切です。

遺影の大きさやフレーム

一般的には四つ切サイズかA4サイズ

遺影のサイズは、これにしなければいけないといったような決まりは無いのですが、葬儀の祭壇は会葬者が遠くからでもよく見える様にといった理由から一般的には四つ切サイズ(新聞紙1ページの4分の1程度)かA4サイズが多く選ばれています。

遺影のサイズは自由

遺影のサイズは自由に決める事が可能ですが祭壇に飾る事を踏まえると余りに小さすぎるサイズでは参列者が見えづらくなるので注意が必要です。

色額も人気な傾向に

遺影のフレームは、かつては写真が白黒だった名残から黒額が一般的でしたが、近年ではカラー写真が主流になってきている事からフレームの種類についても色額が徐々に増えてきています。故人が好きだった色等を選ぶ事も故人を偲ぶ一つの手段に良いかもしれません。

遺影のその後

葬儀を終えた後は後飾り祭壇へ

ここからは葬儀後の遺影の置き場所や飾る場合についてお伝え致します。

葬儀を終えた後は後飾り祭壇(ご遺骨安置檀)に遺影を飾ります。後飾りは四十九日まで飾ることが一般的とされていますので、納骨が終わった後は後飾りの棚は基本的に不要となりますので、お盆や法事で遺影を使用する予定がない場合には遺影に敬意を持つことは大切ですが処分してしまっても問題はありません。

処分の際には供養は不要

遺影そのものには宗教的な意味はないため、位牌等と同じ様に捉える必要はありません。基本的には供養を行う必要があるわけではありませんので、例えば自分で祈りながら焼却することも可能です。気分的にそれではあまり良くないと思われる場合には、ある程度の費用や時間は必要ですがお寺や神社で供養をお願いする事も勿論可能です。

遺影は処分する人の気持ちや考え方が大切になってきますので、どのような処分の仕方が一番後悔や心配が残らないで済むかという点で選ぶと良いでしょう。

その後を見越した選択も

遺影を選ぶ際にその後について考えて写真のサイズを小さくする事も一つの選択肢です。近年では核家族が多く仏間のない家庭も多くあるので、大きな遺影を飾るスペースがない場合や置く考えがない場合があると思います。その場合でも小さいサイズにしておくと飾る場所を取らず、置く場所の選択肢が増えるので近年の生活形式に合った方法でしょう。その他、遺影をデータ化してパソコンなどで保存する方法も増えてきているようです。

それぞれの生活や時代によって遺影のその後の対応は変わりますし、人によっても遺影に対する気持ちや想いは違うものです。いずれにせよ、それぞれに合った形式でも故人に対する敬意を忘れない事が大切でしょう。

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