日本の三大宗教のひとつ、古来より根付く神道を徹底解説
古くより日本の地に根付く神道。日本における三大宗教の内のひとつです。
神道がどのような宗教であるかはご存知でしょうか。
宗教と葬儀は切っても切れない関係性で成り立っています。宗教について知識を深めることは葬儀を理解していくうえで非常に大切です。
神道における葬儀についてもご紹介致しますので、この機会に是非知識を蓄えておきましょう。
神道について
自然に生まれ変化してきた宗教
古来から日本で信仰されてきた原始的信仰が外来宗教である仏教や儒教の影響を受け変化し、日本人の慣習や天皇の祭祀など様々な形に展開したものが神道で、民族歴史の中で自然に生まれた民族宗教とされています。
一般的な宗教には教祖や経典といったものが存在しますが、神道は教祖や経典が存在しないことも大きな特徴と言えるでしょう。
八百万の神々
一般的に宗教には神が存在します。そして多くの世界宗教は一神教といって唯一の神を信仰しています。具体的な例を挙げるとキリスト教でいうキリストといったものです。しかし、神道は多神教かつ祖霊崇拝であるため、あらゆる自然や一族の先祖・大きな貢献をした特定の人物・怨霊など様々な神が存在し、「八百万の神」としています。
神道の起源
神道の起源は古く、日本最古の歴史書と言われる「古事記」には、神道に通じる日本神話が複数掲載されています。「日本書紀」には神道という用語が初めて登場しておち、実際の信仰の起源はこれより数世紀前もしくは有史以前にも遡るといわれています。
神道と仏教は共に古代から日本に存在する宗教とされてており、実際に神道と仏教を区別していない方も多くいらっしゃいます。しかし仏教はインドで生まれ、中国を伝い日本に伝わった宗教である為、厳密に言うと仏教は外来宗教に該当します。
しかしその後仏教は日本でも独自に発展し、初期の段階から仏教と神道は部分的に融合しながら「神仏習合」というように発展していったとされているような背景もあり、神道と仏教の区別がつきにくいような状況が生じていると考えられます。
神道の特徴や種類
祖先崇拝・自然崇拝が基本、八百万の神を崇拝
神道において地上の森羅万象に神が宿るという考え方なされており、「祖先崇拝・自然崇拝」が基本となり、八百万の神を崇拝します。亡くなった人は家族を見守る祖先神(そせんしん)になり、死後の世界で家族や子孫を見守っていると考えられています。そして、神道を語る上で欠かせないのが天皇の存在です。天皇は、八百万の神の中でも最高の神格を有する「天照大神(あまてらすおおみかみ)」の末裔と考えられています。
神道の種類
- ●代表的な神道の種類
- ・神社神道:神社を中心に信仰される一般的にイメージされる神道。。
- ・皇室神道:皇室による大嘗祭・新嘗祭などの祭祀を行う神道。
- ・教派神道:明治時代以降に誕生した金光教・天理教などや、伊勢神宮・出雲大社などの古来から続く神社から生まれた神道。
- ・国家神道…明治維新から第二次世界大戦までの国家と結びついた神道。
- ・復古神道…江戸中期から明治までの外来宗教である仏教や儒教の影響を排した神道を復活させようとした神道。
細かく分けると他にも様々な神道が存在しますが、大きく分けると以上の五種類が代表的な神道の種類となります。
神道の葬儀とは
神道の葬儀、神葬祭
仏教における葬儀は故人を極楽浄土に送るために執り行うことに対し、神道の葬儀(神葬祭)は故人を家に留め、死の穢れ(けがれ)を払い、守護神となってもらうための儀式とされています。
穢れとは、清潔さや純粋さなどを失うことで死・血・悪しき事などに共なって生じるとされており、物質的に触れずとも精神のみでも伝染するとみなされ、神聖な領域である神社で神葬祭がおこなわれることは基本的にはありません。
神葬祭の流れ
神葬祭では、一日目におこなわれる「遷霊祭(せんれいさい)」で仏式の位牌にあたる霊璽(れいじ)に故人の霊魂を移し、二日目に「葬場祭(そうじょうさい)」を執り行い、死の穢れを清め故人を家の守護神として祀ります。
戒名は仏様の弟子になった暁にもらえる名前のことを指しますので、神道において戒名は存在しません。しかし戒名と似たような役割をもつ「諡(おくりな)」というものが存在します。諡は人物の帰幽後(神道において人が亡くなること)につけられる名前のことを指し、この名前には生前の徳や行いを称える意味が込められています。神道において、命はいつか神様に返さなければならないものとされており、命を返すタイミングが死であり諡を持って神の世界に再び戻ると考えられているのです。そのため、神道では仏式の位牌にあたる霊璽や、奥津城と呼ばれるお墓に名前を刻む際に必ず諡を加えることが決められています。