いつかはやらなければならない、遺品整理について徹底解説
遺品整理とは故人の持ち物を整理または処分し、故人の暮らしていた家や部屋をきれいにすることです。
大切な方を亡くされた悲しみの最中、遺品整理を行う事は難しいことですが、いつかはやらなければならないことと言えるでしょう。
遺品整理は、ただ単に物や空間を整理・処分をする為だけではなく、遺族の気持ちを整理するためにも大切な過程です。
遺品整理には遺族が行う場合と専門の業者などに依頼する場合が想定されます。遺品整理を行う時期や金額など、注意点を交えながらわかりやすくご紹介致します。
遺品整理を行う時期や方法
遺品整理を行う時期
遺品整理を行う時期については各家庭の事情によっても変化していきます。
賃貸住宅の場合であれば、退去が遅くなればなるほど家賃が発生してしまうので、早急な対応が求められるでしょう。
難しいのが、持ち家を前提とした遺品整理を行う時期についてです。いくつかのタイミングがありますので簡潔にお伝えしていきます。
まずひとつめのタイミングとして法要の時期が挙げられます。四十九日や新盆・一周忌・三周忌など遺族が集まるタイミングを目安に遺品整理をする方が多くいらっしゃいます。遺族の考えを聞き、相談しながら形見分けも可能ですのでトラブル回避にもつながります。
次に故人の身の回りの手続きが完了する葬儀後の手続きに合わせたタイミングで遺品整理を行うという方法もあります。葬儀の後はすぐに行政関係や銀行・保険等の手続きが多く発生し、期限が決まっているものもあります。こういった優先すべき手続きが済んでから、落ち着いて遺品整理を始めるのも良いでしょう。
上記のタイミング以外であっても持ち家である場合は賃貸住宅と違い、急ぐ必要性は少ないですから、遺族の気持ちが落ち着いたタイミングなど時間をかけて整理することも可能です。
遺品整理を行う方法
遺品整理を行い方については大きくわけて二つの方法があります。ひとつは遺族が遺品整理をする、もうひとつは業者に遺品整理を依頼する方法です。
遺品整理を遺族で行う場合については、自分たちで整理を行えば故人が大切にしていた物や思い出などを振り返りながら分類していくことが可能です。費用を抑えられるというメリットもありますので、時間や体力に余裕がある場合は検討したい方法です。しかし、それぞれの事情で遺品整理の時間を取ることが難しかったり、なかなか処分することができずに遺品整理が進まないという場合もあります。
遺品整理サービスを利用するという方法については、一口に言ってもリサイクル業者や引っ越し業者等が行っているサービスと遺品整理を専門で行っているサービスがあり、その実情は様々です。遺品整理だけでなく部屋の原状復帰も必要になり特殊な清掃が必要な場合、遺品整理業者によっては部屋の現状復帰まで含め対応してくれる企業もあります。具体的なサービスの内容についてはそれぞれの企業によっても異なりますし、遺品の取り扱いについても各社によって違いがあります。サービス内容を比較し、ご自身の希望に一番近い方法で遺品整理を行えると良いでしょう。
遺品整理の金額相場
大きく異なる料金
遺品整理を業者に依頼するとなると費用がかかります。遺品整理が必要な間取りや荷物の量・種類などによって料金は大きく異なり、部屋が狭い場合であっても荷物が多いということであれば当然料金も高くなります。梱包・搬出・清掃・車両・処分・リサイクル・オプション作業・消費税などさまざまな項目がありますので、必ず見積りで確認するようにしましょう。
大まかな相場については部屋の面積で算出する方法・トラックの大きさや台数で算出する方法の二つの算出方法がありますので参考にしてください。
まずは部屋の面積で算出する方法です。荷物の量などに関わらず部屋の大きさで決まるので荷物が多い場合に適していて、部屋の面積が1Kで一名から二名で作業する場合は概ね4万円程度~・1LDKで二名から三名で作業する場合は概ね十万円程度~・2DKで三名で作業する場合は概ね十三万円程度~・3DKで三名で作業する場合は概ね二十万円程度~といったようになります。
トラックの大きさや台数で算出する方法では荷物が少ない場合に適していますが少しでも超過すると追加のトラック代が掛かり、1tトラック(段ボール90個程度)の場合は概ね五万円程度~・1.5tトラック(段ボール150箱程度)の場合は概ね八万円程度~というようになります。
お伝えした料金はあくまで目安の相場であり、荷物の量などの判断が難しい場合には先に見積りをしてくれる業者を探し、事前に確認するようにしてください。
事前に知っておきたい注意点
遺言書の確認は必須!
遺品整理を行う際には明らかに価値がわかるもの以外をどのような基準で保管・処分・譲渡するべきか難しいものです。
遺品整理を行う前にまずは遺言書があるかどうかを確認する必要があります。きちんとした形式で書かれている遺言書は法的な効力を持ち、最重要視されます。法的効力がない形式であったとしても故人の意思を尊重するためにも遺品の整理に関しての記述があるかどうかの確認をしましょう。
連絡先が分かるような物は保管
迷った場合には、ひとまず残しておくという選択をすると良いでしょう。手帳や手紙はできるだけ残しておき、故人と親しくしていた方と今後連絡をとる必要があるかもしれませんので連絡先が分かるような物については保管しておく必要があります。手帳や手紙だけでなく携帯電話などの電子データについても、読み取れる内にパソコンへ移したり印刷やメモをしておくことをおすすめ致します。
遺品整理で多いトラブル
遺品整理を行う中でトラブルがおきてしまう場合もあります。例えば遺品整理業者を利用した際のトラブルについてです。遺品整理業者を利用した際の代表的なトラブルは「遺品の誤処分」や「追加料金」等です。遺品の誤処分については伝え忘れや確認不足が主な原因であることが多く、そのようなトラブルを防ぐ為には遺品整理の場に立ち会い、しっかりと確認しながらすすめるようにしましょう。近年では買い取りも同時に行う業者が増えていて大変便利なサービスなのですが、相場よりも安い値段で買い取られる可能性もありますから評判を確認し、安心できる業者に依頼するという予防策をすることも大切です。業者の話を詳しく聞き、納得のいくように説明を受けておきましょう。
また、形見分けでの遺族や知人間のトラブルも起きやすいとされています。形見分けは遺品を譲渡するものですが、その際に価値のあるものを誰が引き取るかといったような問題でトラブルが起きやすいようです。市場価値のあるものは全て遺産相続の範囲に入るという判例がありますから、厳密には誰が何を引き取るのかという事は勝手に決めていいという訳ではありません。トラブルを防ぐ為にも価値があるものは早期に把握しておくとよいでしょう。